
「ノーリフティングケア」とは
人の力のみで、
力任せの移乗を行わないこと
介護現場の新たな共通言語として普及と定着が望まれています
介護、看護、福祉の現場において、人の力のみでの移乗を禁止し、患者・ご利用者の自立を考慮してリフトなどの福祉用具を積極的に活用しようという考え方です。
人の力のみでの「持ち上げ」「抱え上げ」「引きずり」などのケアを廃止し、介護する側と介護される側、双方に安全・身体への負担を軽減するケアの手法をノーリフティングケアと呼びます。
ノーリフティングケアについてもっと知りたい方はこちら
※ 日本ノーリフト協会ホームページへ移動します
介護現場における腰痛は深刻さを増す一方
看護・介護従事者向けに日本ノーリフト協会が実施したアンケートでは、体に痛み・違和感を感じたことがある人が7割を超えています。看護・介護従事者は「腰痛があって当たり前」なのでしょうか?
それは自己犠牲の上に成り立つ苦行でしかなく、持続性のある事業とは言えません。少子高齢化社会を迎えた日本において、腰痛が常態化している職場環境は一刻も早く改善しなければならない課題です。
製造業をはじめとする他業界の業務上腰痛件数が減少しているにも関わらず、保健・衛生業(医療機関や福祉施設)だけが増加傾向です。腰痛が原因で離職を余儀なくされるケースもあり、介護職や看護師の人材確保という面からも対応が急がれます。
2013年に厚生労働省が「職場における腰痛予防対策指針」を改訂し、『人力での抱え上げは原則行わせない。リフトなどの福祉用具を活用する』ことを明示しました。
ただ腰痛の予防は職員個人の努力やケア技術に頼るだけでは限界があります。事業者側にも職員の腰痛を低減させるための責任と高い意識が望まれています。
国策としてノーリフティングケアが明文化

「原則として、人力による人の抱え上げは行わせない」
厚生労働省は2013年に「職場における腰痛予防対策指針」を改定し、「原則として人力による人の抱き上げは行わせない」「リフトなど福祉機器の活用を促す」ことを明示しています。
60kgの女性が持てる最大重量は14.4kg?
厚生労働省の具体的な指針とは・・・
厚生労働省の指針
【I. 重量物取扱い作業】「2. 人力による重量物の取扱い」より。
- 人力による重量物取扱い作業が残る場合には、作業速度、取扱い物の重量の調整等により、腰部に負担がかからないようにすること。
- 満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う重量は、体重のおおむね40%以下となるように努めること。女子は男性の60%(体重の約24%)以下とする。
- 上記の重量を超える重量物を取り扱わせる場合、適切な姿勢にて身長差の少ない労働者2人以上にて行わせるように努めること。この場合、各々の労働者に重量が均一にかかるようにすること
これまでの日本の腰痛予防策では、重量物の制限はあっても、「人による人の抱え上げ」は除外されてきた経緯があり、今も多くの事業所で人力による抱え上げが行われています。
ノーリフティングケアでは、重量の数値に関係なく、原則として人力のみで人を抱え上げることを禁止しています。
そこで、福祉機器を利用した移乗介助や、身長差のない2人組での移乗介助、一人にばかり腰への負担が多くなる偏った人員配置を見直すなど、現場を見て、どこに腰痛発生させる要因があるのか、リスクを洗い出して確認し、腰への負担を軽減する取り組みを検討してください、と指針には示されています。
ノーリフティングケアは介護現場での腰痛予防に効果を挙げているとして、2021年4月からの介護報酬では、ノーリフティングケアに取り組む事業所が評価されることになりました。
2021年4月に介護報酬改定により職場の腰痛予防対策が加算対象に
2021年4月の介護報酬改定では、「特定処遇改善加算」の賃上げ以外の要素となる「職場環境等要件」によって求められることが従来より多い6つの区分に増え、区分ごとに1つ以上の施策を実施することが必須とされました(初年度は任意の3区分ごとに1つ以上)。区分の1つには「腰痛を含む心身の健康管理」項目が含まれています。
その内容は、以下の通りです。
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項目1
■介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等導入及び研修等による腰痛対策の実施
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項目2
■短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設 置等健康管理対策の実施
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項目3
■介雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施
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項目4
■事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
なお、これまでは過去の取り組みを含める扱いも許されておりましたが、今後は年度ごとに必ず行なわなければなりません。
深刻な腰痛問題と新しい介護報酬加算に向けて求められることとは
介護現場における腰痛は労働災害であり、介護者個人では対処できない職場全体の課題です。
形だけの改善活動ではなく、結果を生むための現場革新・介護報酬加算につながる職場環境づくりをするためには、どのように取り組めばいいでしょうか。
平プロモートでは、それら複数の課題について、具体的な解決策をご提案させていただくことができます。
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項目1
介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等導入及び研修等による腰痛対策の実施
▶︎ 介護機器などでお困りの方は
当社は、ノーリフティングに対して積極的に取り組んでいる機器メーカーと繋がりがあるため、介護補助機器やリフト等を使用した実践的な研修の他、最適な機器選定や具体的な導入方法をサポートすることができます。
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項目2
短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
▶︎ 労働者の管理にお困りの方は
従業員の勤怠や健康などの管理をアプリや専用システムで一括管理し、定期的なイベントを自動で通知するだけでなく、リアルタイムで状況を把握することで、不測の事態が起る前に適切に対処できる仕組みをご提供いたします。
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項目3
雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施
▶︎ 教育や研修でお困りの方は
普段忙しく学習の時間が確保できない管理者に対しても、タブレット端末やインターネットを活用した研修や教育を実施いただくことができ、場所や時間を選ばずに効率的な学びをご提供することができます。
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項目4
事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
▶︎ マニュアル制作でお困りの方は
当社は創業以来、数多くのマニュアルを制作してきた実績と信頼、それに応える技術があります。当社の制作する緊急対応マニュアルは、確実な問題解決をするだけでなく、迅速で最適な対応と運用を可能とします。
平プロモートへのお問い合わせ、ご相談はこちら
Column ノーリフティングケアで用いる主な福祉用具
ノーリフティングケアは、人力に依存しない介護を実現するために以下の福祉用具などを積極的に用います。
Taira Promoteだからできること
「自己流」を脱し、安全かつ質・生産性の高い現場づくり
弊社は創業から自動車・製造業界をメインに、労働安全衛生に配慮した技術資料制作業務をおこなってきました。
当時、製造業界にとっても腰痛は深刻な問題でしたが、課題を解決するための施策が功を奏し、大幅に改善することができたのです。平プロモートは、それらノウハウによって、保険・衛生業においても腰痛予防に効果的な施策や仕組み作りをすることで、腰痛件数を減少させるためのお手伝いができると考えています。
平プロモートは、製造業を支えるマニュアル制作から始まった会社です。
整備マニュアルや製造手順書、安全管理マニュアルなど、さまざまなマニュアル制作を行ってきました。
マニュアルは作って終わりではなく、運用して結果を出すまでが正しい役割です。
平プロモートでは、成果を出す「しくみ」により、お客様が目的を達成するためのマニュアル作りが可能です。
目的を達成できるマニュアル制作と運用についてはこちら
イラストだけで手順を表現するマニュアルについてはこちら
事例1:集合式教育のオンライン化
LMSと動画を活用したオンラインセミナー
日本ノーリフト協会様に「LMSを使⽤したオンラインセミナー」のプランをご提案しました。
従来のセミナーをそのまま収録した動画を配信するのではなく、弊社の動画制作のノウハウを活かしたオンライン学習用の動画を新たに制作。トピックごとに分類し、1つの映像を5~10分の短い映像尺で作成することで「動画再生途中の離脱率を減少させる」効果があり、受講者側にも「隙間時間で学習できる」というメリットが生まれます。
※日本ノーリフト協会HP内「セミナー情報」から申し込みができます
LMS(Learning Management System)では「講師」と「受講者」という2種類の役割をユーザーに与えられます。
講師は「動画」「ミニテスト」「テキスト」「PDF」など⽤途に合わせた教材を用意し、受講者に配信できます。
導入の結果、日本ノーリフト協会様からは「初めての試みで不安でしたが、オンラインセミナーが実現できてよかったです」とお声がけいただきました。
受講者にアンケートを実施したところ「オンライン配信期間中に自分が見たいところを動画で何度も見直せた」「動画で事前に予習してから実技を行なったので、安心して参加することができた」とご好評をいただきました。
LMSなど、教育システムの制作をご希望の方はこちら
事例2:実技講習会の企画運営
ノーリフティングケアのノウハウを全国に周知
平プロモートは、厚生労働省より委託を受け、令和元年から「職場における腰痛予防対策指針」の普及促進を目的とした無料の講習会を、保健衛生業・陸上貨物運送事業を対象に全国各地で開催しています。
講習会では、日本ノーリフト協会の方に講師を務めていただき、腰痛予防対策のノウハウについて、座学と実技を交えながら講義いただきました。参加いただいた方からは大変な好評をいただいています。
令和3年度に行われる「職場における腰痛予防対策指針」の普及促進施策は、新型コロナウィルスの影響により、人を集めた対面での講習会ではなく、動画配信がメインとなります。
【 運営協力 】
平プロモートでは、全国規模の講習会開催をしてきたノウハウにより、会場手配、設営、運営、集客、コンテンツ化、リモート対応まで、これから講習会の開催を予定している方を幅広くサポートすることが可能です。
動画制作や全国規模の講習会開催にご興味のある方はこちら
事例3:ノウハウをアセット化するプラットフォームの提供
ノウハウを見える化し、共有し、品質管理までをシームレスに実現
Kupuは、すぐに導入でき、最大の効果を発揮することができる現場支援Appです。基本機能のマニュアル作成に加え、チェックリスト機能によ理、作業の効率化と品質の維持向上ができます。また、データ管理機能による作業の集計や管理も可能です。作成機能はとにかく簡単、その場で写真を撮って作成できるので、現場のすべての人が改善に参加できます。
さらに、Kupuのベース機能を利用して、企業様の細かい状況に対応できるカスタマイズ開発を実施することも可能です。
また、Kupuはお客様がご自身でコンテンツを制作するためのサービスですが、「時間がない」「何から作り始めればいいかわからない」という方のために、制作の代行も行っております。
事例4:安全で実務に沿った質の高い教育サービスの共有
介護業界では離職者の約60%が3年未満で離職するという状態が続いています。
その中には、慣れない業務をすることで腰痛になり、離職してしまうケースも少なくありません。
みなさまの職場では、スタッフの方全員に安全なケア手法が周知徹底されていますか?
当社の教育コンテンツで、スタッフの方やご利用者の方にも安全なケア手法を学び、質の高いサービスを提供しましょう。
スタッフの方のケガを防ぎ、経験の浅い方がいち早く一人前になることが、人手不足の解決策の一つになると考えています。
わかりやすい短い時間の動画で理解度がアップ
Webを活用したサービスは、短い時間の動画を主体とした、気軽に見て学べる教育コンテンツになっています。
1手技1動画を各シチュエーションで分けた構成にしているので、「見たい」「知りたい」箇所がすぐに確認でき、普段使いで手間なく正しい動作を学ぶことができます。
場所を選ばず確認できるので、現場での作業が不安な際も、移動時の合間などに動画で手技を確認することもできます。
場所を選ばずに正しい手順をいつでも確認できる
動画学習
教育研修
情報共有
労働安全
動画制作
評価機能
コメント
進捗管理
学習状況をリアルタイムで把握して高効率の学習が可能
※画面はいずれもサンプルです
なお、コンテンツの内容はお客様と作り上げていくことになります。お客様の困りごとに対し、柔軟な発想と提案で確実に解決していきます。もちろん、ご要望があれば紙によるマニュアル制作にも対応いたします。
プロによるコンテンツの制作代行などのご要望にも対応
当社には、マニュアルや教育資料制作等の経験があまりない方でも、制作のプロに安心してお任せいただける制作代行サービスがあります。解決したい問題点と、表現したい大まかなイメージさえご提示いただければ、解決策として必要なコンテンツやサービスを具体的なカタチにして、ご提案および制作させていただくことができます。
「どう改善すればいいのか」わからない方は・・・
「うちの施設は独自のやり方だから難しいのでは?」 「予算上限が決められているけど大丈夫?」など、さまざまな疑問や、そもそも何をどうすれば課題が解決するのかわからないといった方もいると思います。
ご安心ください。お客様の業務や施設に適した改善案はもちろん、ご予算にあわせた最適なご提案をさせていただきます。
まずは、どんなお困りごとがあるのか、弊社にお気軽にご相談・ご連絡ください。
(※お問い合わせ内容に『医療・介護施設向け相談』と記入いただくとお話がスムーズになります)
少しでも気になったら遠慮なくお問い合わせください!