手順書の作り方 | 手順の流れを共有し、上手に運用するためのコツ

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「マニュアル作成のコツ」の記事では業務マニュアルの作り方と運用のコツについてご紹介致しました。

今回のテーマは「手順書の作り方」です。業務マニュアルとの違いも含めて、詳しくお話ししていきますね。

 

1. 手順書の基礎知識

まず手順書とは何か、用途や特徴などについて触れていきましょう。
 

1-1. 手順書とは?

手順書は通常、作業手順書、または作業標準書とも呼ばれ、作業者が確実かつ安全に必要な作業手順を踏めるように手順をまとめたものです。

業務マニュアルとは何が違うのかというと、業務マニュアルは業務全体に渡っての注意事項や作業の流れなどの情報をまとめたものであり、一方手順書は業務の中に含まれる1つの単位作業の手順を記載したものであるというところです。

では「単位作業」とはどの範囲を指すのか。「夕食をとる」ことを一つの業務として例えてみましょう。

「夕食をとる」という業務を達成するには何をすればいいか、考えてみると「夕食のメニューを考える」「買出しをする」「料理を作る」「配膳する」「食べる」「片づけをする」という工程が挙げられますね。

この中の「料理をする」という工程はさらに「ご飯を炊く」「食材の下ごしらえをする」「主菜を作る」「副菜を作る」「味噌汁を作る」「盛り付けをする」という作業に分けられます。この「ご飯を炊く」「食材の下ごしらえをする」といった項目が「単位作業」にあたります。

業務マニュアルの場合は「夕食のメニューを考える」段階から「片づけをする」までの一通りの流れを作業者に伝えるために作られますが、手順書では「ご飯を炊く」「食材の下ごしらえをする」といった単位作業を個別に抽出して作成します。

「ご飯を炊く」という単位作業には「お米を計る」「お米を洗う」といった手順があり、道具として「炊飯器」を使用しますね。

そういった一連の手順や使う道具などの情報を確認できるようまとめたものが手順書というわけです。
 

1-2. 手順書の特徴

手順書が単位作業を抽出して手順をまとめたものであるということはご理解いただけたかと思います。

では実際の使い方として業務マニュアルとは何が違うのか。業務マニュアルは業務全体を把握できるように書かれるものであるため、どうしても情報が多くなり、冊子並のボリュームになりがちです。

先の例で言うと、マニュアルで「ご飯を炊く」という作業について確認しようと思うと、「夕食をとる」という業務全体について書かれた本の中から目次で「ご飯を炊く」という項目を探し、ページを開くという動きが必要になります。

作業者が業務の流れに沿って「ご飯を炊く」という作業について把握しようとする場合であれば、マニュアルは有効に活用できるでしょう。

しかしたとえばこの一連の業務が分業制で、「ご飯を炊く」ことだけを担当している人が作業手順を確認する場合、「ご飯を炊く」作業以外の情報は不要ということになります。一部の作業手順だけを確認したいのに、わざわざ厚いマニュアルを開いてページを探して、ということをするのはわずらわしいですよね。

そこで有効に使えるのが手順書というわけです。

手順書は1つの単位作業についてのみをシンプルに記載するので、A4用紙1,2枚程度のボリュームに収めやすいです。A4用紙1,2枚程度であれば折りたたんでズボンのポケットにも入れられるので、作業現場でも手軽に手順の確認ができますね。

作業標準を広めるのに、手順書は大いに役立ちます。
 

1-3. 手順書の主な記載項目

それでは実際、手順書にはどのような項目があるのでしょうか。

職種や業務の内容によって異なる部分はありますが、主なものをいくつかあげてみます。

製品の組立作業の手順書であれば、この他に品番や品名といった製品についての項目なども必要になるでしょう。

上記以外の項目について考える場合は、実際に作業時や手順書の管理をするときにどんな情報があればいいのか、具体的にイメージして考えていくことが重要です。

手順書に記載する項目が決定したら、Excelなどを使ってレイアウトし、手順書のテンプレートを作成するといいでしょう。

 

 

2. 手順書の作り方

それではいよいよ手順書の作り方について解説していきましょう。 手順書作りでは現場作業を手順レベルまで分解して落とし込んでいく、というやり方で進めていきます。
 

2-1 単位作業の選定

まずは手順書化する単位作業を選定します。

現場で行われている業務を単位作業レベルに細分化し、書き出してみましょう。

細分化するときは、どこからどこまでが一塊の作業なのかを考えて分けていくようにしていくのがポイントです。

単位作業が一通り書き出せたら、作業の標準化が可能かどうかという視点から手順書化する単位作業を選定します。

「夕食をとる」の例で言うと、「夕食のメニューを考える」という工程の中に「冷蔵庫内の食材を確認する」「レシピを調べる」「献立を作る」という単位作業があったとします。

これらは「在庫の確認」「情報収集」「計画の立案」とも言い換えられます。このうち「情報収集」と「計画の立案」は状況によってやることが変化するため、作業の標準化が困難です。

一方「在庫の確認」は「冷蔵庫の中身をリスト化して管理する」などの工夫があれば、作業を一定の手順としてまとめられるでしょう。
 

2-2. 作業内容の分解

手順書化する単位作業が定まったら、単位作業の内容をさらに手順レベルに分解していきましょう。

たとえば「ご飯を炊く」作業を手順レベルに分解すると、「計量カップと炊飯釜を用意する」「お米を計量する」「お米を洗う」「水を計量する」「炊飯釜にお米と水を入れる」「炊飯器に炊飯釜をセットする」「炊飯器の電源を入れる」「炊飯メニューを選択する」「炊飯を開始する」といった具合になりますね。

重要なのは、普段やっているからといって手順を省略したり、2つの手順を1つにまとめたりせず、1手順ずつ丁寧かつ正確に分解していくことです。

そうすることで、「書かれているとおりに作業すれば、誰がやっても必ず同じ結果を出せる」手順書を作れます。
 

2-3. 手順を並べる

作業内容を分解できたら、作業の流れにしたがって手順を並べていきます。

実際に作業を行うときの自然な流れをイメージし、移動や道具の出し入れなどの手間が最小限になるようにしましょう。ただし、効率を追求するあまりミスや漏れの発生リスクが上がってしまうこともありえます。そういった場合は、作業の中間で経過の確認を手順として加えるなど、効率と確実性のバランスをとるための対策を考えるといいでしょう。

手順書にチェックリストを添付して配布するという方法でも、作業の確実性を向上できます。チェックリストは作成した手順書をベースにチェックポイントを洗い出すことで簡単に作れますよ。

 

 

3. 手順書を作るときのポイント

手順書の作り方の流れは掴めましたでしょうか?

ここからは手順書を作り、運用するうえでの2つのポイントをご紹介します。

より使いやすい手順書に仕上げていくため、ぜひこのポイントを意識してみてくださいね。
 

3-1. どんな読み手でも理解できる表現を使う

手順書を作るうえで最も重要なのは、「誰が読んでも同じ作業結果を出せる資料である」ことです。

同じ手順書を見ているのにもかかわらず、人によって解釈が分かれて違う作業結果になってしまっては手順書を作る意味がなくなってしまいます。しかし「誰が読んでも同じように理解ができる」ようにするのは、簡単なようでいて、実はきちんとした工夫が必要なことなのです。

そこで、手順書の説明文を書くときは、下記のことを念頭に置くようにしてみてください。

作業をするにあたって専門用語などの前提知識は、普段作業に慣れている人からすると常識として認識され、つい資料のうえでもあらためて説明することをしない状況になりがちですね。

しかしそれでは、たとえば作業に必要な知識をほとんど持っていない新人に手順書を渡しても内容を理解できず、結局人に詳しく訊かないと作業ができないことになってしまいます。

専門用語などを多用した表現はできるだけ避け、作業にある程度の前提知識が必要な場合は、手順書内に必要な情報を記載するか、別紙を手順書に添付してすぐ確認できるようにするのが望ましいでしょう。

前提知識がない人が読むことを前提とした作りにすれば、新人はもちろん他の誰が手順書を見てもスムーズに作業ができるはずですね。

さらに文章の書き方によっては、2通りの解釈ができてしまったり誤解が生まれたりしてしまうこともありえます。

たとえば「ツールを使用しなければならない場合もなくはない」というような曖昧な書き方をすると、ツールを使用した方がいいのか判断がしづらくなってしまいます。

一文は短く簡潔に書くようにしましょう。誤解を生まないための文章表現については、当ブログの過去記事でいくつか紹介していますのでぜひ確認してみてくださいね。

 

3-2. 運用しながら改善を図る

さて、手順書ができあがったらさっそく現場で運用を開始してみましょう。

完成した時点では完璧な出来であっても、実際に現場で使い始めてみると「ここにもう1手順ほしい」「ここの順番は逆の方がやりやすい」「もっと効率的なやり方を見つけた」などといった改善点がいくつもあがってくるはずです。 作業者からそういった改善案を吸い上げ、手順書の改善を推し進めることにより、作業効率を現状よりさらに上げられるでしょう。

 

 

4.手順書で作業を効率化

手順書の作り方について参考になりましたでしょうか?

手順書の作成により作業標準を定めることは作業の確実性と効率を上げることに繋がります。

弊社マニュアル作成Webサービス「Kupu」では作業手順を手軽にまとめ、PDFとして出力することも可能です。

効率的な手順書作りをお考えの方はぜひ一度をHPをご参照ください。

 


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