マニュアルの製本の仕方 ~前半・面付について~
数十~数百ページにもわたるマニュアルを一冊の本にするとき、「ページ数は4の倍数におさめること」と教わった方は多いと思います。では、なぜ「4の倍数」なのでしょうか。「マニュアル製本の仕方」と題し、前半と後半に分けてマニュアルを印刷するときの方式や製本時の決まりを見ていきたいと思います。
「面付」という印刷法則
本というものは、1ページずつ印刷してそれを貼りつけているわけではありません。巨大な印刷機を使って「菊全(636×939mm)」や「四六全(788×1091mm)」といった非常に大きい紙に効率よく印刷するため、ページをある一定の法則にのっとって紙に配置します。その法則のことを「面付」と呼びます。
以下に示すのが代表的な面付様式(右開きの場合)となります。図の中の矢印はページの向き
面付されたページを折りこむことで「折」が完成します。決められた折り方で折っていくことで、自動的にページが順番にとおっていく仕組みですね。この折を「1折」「2折」…と重ねていく(「丁合」)することで、一冊の本ができあがるというわけです。
製本様式の違い
折の重ね方にも種類があります。1折の最終ページと2折の開始ページを順番に重ねていく「あじろ・無線綴じ」や、折の真ん中に次の折を重ねていく「中綴じ」といった様式があります。
教科書・書籍や文庫では「あじろ・無線綴じ」が使われます。本の背が角ばっており、特殊なノリなどで綴じられているものです。一方、週刊誌やパンフレットなどでは「中綴じ」が多く使われています。本の背がとがっており、針金などで綴じられているものを指します。
4の倍数でまとめるワケ
印刷・製本は、上記のようなルールに従ってその工程を進めていくのです。もうおわかりですね。製本するには「折」単位になっていなければならず、その「折」は4ページの倍数単位で構成されているためです。
では、その折を間違いなく重ねて製本していくために、どのような目印をつけているのでしょうか。次回後半はその目印となる「背丁」についてお送りします。
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