伝えるための工夫がアダになる、ウソのようなホントの話

伝えるための工夫がアダになる、ウソのようなホントの話
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人にものを「伝える」とき、言葉だけで説明しようとして苦しんだ経験はありますか? 言葉ではうまく表しようがないことでも、図や絵で示すと一目瞭然だったりします。わたしたちが日常的に目にする看板や標識、ドキュメントなどにはイラストによってわかりやすく伝える工夫が凝らされています。

しかし、そんな工夫がかえって混乱を引き起こしてしまうこともあるのです。
次の絵をごらんください。

『オープンヒア インストラクショナルデザインの技法』P.54 ワールドフォトプレス、2007年

みなさんはこの絵をみて、どう解釈されるでしょうか。「線路に岩が落ちています。どかして運びましょう」…普通に読めばそうなります。文章同様、たいていの人は左から右へ読んでいくものですから。

このイラストは南アフリカの字が読めない鉱夫さんのために描かれたものです。驚くなかれ、鉱夫さんの中には「右から左に」イラストを解釈してしまい、線路に岩をわざわざ置いてしまった(あくまでも好意から)という逸話が残されています。

 

このイラストの場合、読み間違いを回避するためには以下の方法が考えられます。

  • 左のコマから右のコマへ向けて矢印を加える
  • コマの段組みを縦方向にする

たったこれだけでも、きちんと「伝える」ことができるのです。
イラストがわかりやすくたって、まったく逆の結果を産んでしまうことだってあるんですね。「伝える」って、難しい…

 


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