新しい「マニュアル人間」を目指せ!
みなさんが一度は耳にしたことがある「マニュアル人間」という言葉は、往々にしてこんな使われかたをしています。
- 「あいつはマニュアル人間だから、融通がきかないんだ」
- 「もっと臨機応変に対応しろ! そんなことだからマニュアル人間だと言われるんだ!」
- 「マニュアル人間には独創性なんて皆無だよ」
なんだか、ひどい言われようですね……ややもすると、世代間の軋轢にも発展してしまいがちな言葉でもあります。そもそも「マニュアル化」という言葉自体に、非人間的であるとか、冷酷なイメージを持ってしまっていないでしょうか。
「マニュアル人間」というネガティブイメージ
ためしにGoogleで「マニュアル人間」と検索してみましょう。すると出るわ出るわ、ネガティブな印象ばかりですよね。いわく画一的で、柔軟性に欠け、決められたことしかできない……
ちょっと待ってください。それは果たして、マニュアル人間が悪いのでしょうか。もしかしてダメなのは、そんな人間を生み出してしまうマニュアルのほうなのではないでしょうか。
良いマニュアル、悪いマニュアル
マニュアルはけっして唯一無二の規範などではなく、もちろん一つの例外も許容しない厳格なものではありません。職場のマニュアルだって、もともとはみんなで決めたもっとも効率的で正しいやりかたをまとめたものだったはずです。それはむしろ、状況ごとに臨機応変な対応をしていくための指標となるものだと考えます。もちろんマニュアルは一度つくってハイ終わり、ではなく、つねに見直されよりよいものになっていくべきです。
あれもダメ、これもダメ、言われたことしかやっちゃダメ……こんなマニュアルじゃあ、読むほうも楽しくありませんよね。そうではなく、マニュアルのなかに状況に即した対応を考えさせる設問が用意してあるだけでも、社員に考えるきっかけをもたらすことができるのではないでしょうか。
新しいマニュアル人間とは
マニュアルは業務の標準化をおこなう上でかかせないツールです。同時にマニュアルは自らに欠けているものを認識させる手段でもあり、さらなる創意工夫を促すチャンスを提供してくれるものなのです。
当ブログが提唱する「新しいマニュアル人間」とは……
- マニュアルによる業務の標準化を推進
- 新人研修、技能伝承へ積極的に取り組む
- マニュアルをもとに自らの欠点をいましめる
- マニュアルを常に改善し、やる気と創意工夫を生み出していく
どうですか! スーパーマンじゃないですか! もう「マニュアル人間」にネガティブな印象はなくなりましたね!
「それができれば苦労しないよ……」と嘆くあなた。まずはマニュアルをつくるところからはじめてみてください。最初からキチンとしたものを目指してしまうと息切れしてしまうので、いい加減でかまわないと思います。仕事ができる人にコツを聞いて文書化するだけでも立派なマニュアルになります。
何個かつくっていくと、いい加減だったもののなかに「良い加減」を自然と見つけることができるでしょう。そうすればしめたもの。あなたも「マニュアル人間」としての第一歩を踏みだせたのですから。わたしたちもそのお手伝いをすべく、これからいいマニュアルのつくりかたを少しずつでもお伝えしていく予定です!
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